まのび放送局、TPPネタで「日本農業新聞」に紹介してもらいました(2013.5.8付け)

5/8の「日本農業新聞」に掲載された記事だすよ☟

ほぼ毎週、環太平洋連携協定(TPP)などの社会問題を、地元密着で伝える“放送局”がある。
愛知県を拠点に活動する、市民メディア「まのび放送局」だ。 

立ち上げたのは2012年4月。
インターネットを使い、名古屋市の仏像彫刻師、真野明日人さん(37)と、豊田市で環境活動に取り組む中根桂子さん(41)が、仕事の傍らボランティアで取材、報道を続ける。「テレビや大手新聞はTPPの本当のことを言ってくれない。自分たちで発信して伝えなくちゃ」。
共通する志が報道の原動力だ。まのび放送局は、明るく行動力のある中根さんと、穏やかで芯の強い真野さんの名コンビが繰り広げる、絶妙なトークが売り。
東京電力 福島第1原子力発電所事故の講演会がきっかけで知り合い「自らで発信したい」との思いから開局した。

「新聞にはTPPは農業の問題としか書いてないけれど、本当?」
「実際は日米不平等条約じゃないの?」

そんな素朴な疑問をはじめ、識者インタビューやTPPのトーク番組を企画する他、イベントやデモ中継などをインターネット上で無料公開し、毎回100人程度が視聴する。

開局から1年。
視聴者からは「分かりやすい」などの反響はあるが、中根さんは「TPPの本質を知らない人が多過ぎる。もっと多くの人に危険性を発信しないといかん」と焦りを感じる。
今後は賛成派の識者にも取材し、問題の本質はどこにあるのか、多くの人に理解してもらいたいと願う。

「携帯電話1台あれば世界に発信できる時代。多くの人がTPP問題を発信してほしい」と真野さん。
家庭用ビデオを片手に、中部地方の各地に出向き取材を続ける日々だ。

まのび放送局のように、一般市民が取材し、記事を書いたり映画を作ったりして発信する市民メディアは、東日本大震災以降、各地で登場している。

首相官邸前でTPP抗議活動を続ける東京都杉並区の会社員、福島由美子さん(40)もその一人。
3月には、デモに関する20分のドキュメンタリー映画を自主制作した。

福島さんは「現場の声を市民目線で伝えたい。どうしたら世の中が良くなるかを問い掛けるメッセージ性のある報道をしたい」と抱負を語る。

市民向けの映像制作講座などを行う特定非営利活動法人(NPO法人)「Our Planet TV」代表で、一橋大学大学院の白石草客員准教授は「TPPの危険性を伝えないマスメディアに不信感を抱く人は増えている。大手マスコミが伝えない情報を補完する市民メディアが、貴重な役割を担っている」と指摘する。