2月28日、「まのび放送局」は、岐阜県土岐市の「核融合科学研究所」の小森所長に独占インタビューしてきました。
「反対派」の立場ではなく、フラットな視点でのインタビューですのでご理解くださいませませ。
インタビューで「(ノーベル賞受賞の小柴さんは)その後は何もおっしゃっていないと思う」という話でしたが、翌日、3/1の朝日新聞(朝刊)に小柴さんの「核融合研究計画、反対」の記事が載ってました。
【参考】
10年前に、ノーベル賞の受賞者である小柴昌俊さんと、マックスウエル賞受賞者の長谷川晃さんが、当時の総理大臣、小泉純一郎宛てに出した「嘆願書」。
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「国際核融合実験装置(ITER)の誘致を見直して下さい。」
核融合は遠い将来のエネルギー源としては重要な候補の一つではあります。
しかし、ITERで行われるトリチウムを燃料とする核融合炉は安全性と環境汚染性から見て極めて危険なものであります。
この結果、たとえ実験が成功しても多量の放射性廃棄物を生み、却ってその公共受容性を否定する結果となる恐れが大きいからです。
燃料として装置の中に貯えられる約2キログラムのトリチウムはわずか1ミリグラムで致死量とされる猛毒で200万人の殺傷能力があります。
これが酸素と結合して重水となって流れ出すと、周囲に極めて危険な状態を生み出します。
ちなみにこのトリチウムのもつ放射線量はチェルノブイリ原子炉の事故の時のそれに匹敵するものです。
反応で発生する中性子は核融合炉の10倍以上のエネルギーをもち、炉壁や建造物を大きく放射化し、4万トンあまりの放射性廃棄物を生み出します。
実験終了後は、放射化された装置と建物はすぐ廃棄することができないため、数百年に亘り雨ざらしのまま放置されます。
この結果、周囲に放射化された地下水が浸透しその面積は放置された年限に比例して大きくなり、極めて大きな環境汚染を引き起こします。
以上の理由から我々は良識ある専門知識を持つ物理学者としてITERの誘致には絶対に反対します。
平成15年3月10日
小柴昌俊(ノーベル物理学者)
長谷川晃(マックスウエル賞受賞者)