「まのび放送局http://manobing.com」で録画放送した、
今井光代さんの「いのちの授業」
を、いそがいきくちゃんが書き起こししてくれました(ありがとう★)
動画を観てくださった方からも、ぞくぞく、感動メッセージをもらってます。
小学校高学年でも十分理解できます。
お子さんと一緒に観てみてね。
講演は5分頃から。
先生から紹介があった今井です。
普通のおばさんなのでよく聞いてください。
喋られると心が傷つきます。
お願いします。
私の年齢は53歳です。
私は53歳でみなさんよりはちょっと長く生きています。
53年間でいろんな人に出会いました。
多分それは色んな人の命だと思います。
それを今からみなさんにお話をするので、その中から何かを感じてもらえたらいいかなと思っています。
私はいつもはこんな仕事をしています。
障がい者とか障がい児と言われる人たちのお世話をするという仕事をしています。
私は障がいという言葉が嫌いです。
とても違和感があります。
一般にそう言われているのでそういうふうにお話をします。
うちにすごく脱走する子が居るんでよね。
でも、彼と私がジャングルに取り残されたら、私のほうが早く死に、彼は生き残ります。
木にも登れるし、食べるものも探せるんです。
私はもう飢え死にしちゃう、というぐらい、生きる力は彼らの方が持っています。
そして、色んなことを彼女、彼らから学びます。
例えばこの女の子はダウン症という障害を持っています。
彼女はとっても、言葉の大切さを教えてくれます。
さっき私のことを何ていった?
(高校生に問いかける。)
「若いですね」そういわれると、嬉しいじゃないですか。
みんなニヤァとしちゃって。
ていうふうに、人が言われて嬉しい言葉、優しい言葉をいっぱいかけてくるんです。
時々、落ち込んで施設に行った時に、彼女が「今井さん今日のお洋服可愛いね」とか「今井さんのこと大好きだよ」とか言われる。
言われ続けていると、なんだかどんどん気持ちが軽くなって、嬉しくなってくる。
そして、嫌なことも薄らいでくる。
言葉ってとっても大事だなっていうのを彼女から学びました。
あるいは、人のことを酷いこと言うとすると、相手もすごく嫌な感じになるけど、実はその言葉を発した自分自身も傷ついているんだなということも、彼女から学びました。
そんなふうにいつも私は彼ら、彼女から色んなことを学んでいます。
そして、その障がいではなくて、他にタレント性、他の才能をもっている人たちなんだなと思ってます。
彼は自閉症という症状です。
うちのスタッフが、これは蜜蝋粘土でちょっと固いですね、体温でこう温めながら柔らかくしながら、こう作っていかなくちゃいけないので、とても作りづらいので、これはうちのスタッフがアトム(鉄腕アトム)作ったんですね。
こうやって作るんだよ、ってスタッフがね。
そしたら彼は、当時アトムボーイというお寿司屋さんがあったんです。
アトムを見たとたん、彼は寿司を握りだしました。
小指の先ぐらいのお寿司です。
ご紹介しましょう。
なぜかオムレツと同じ。
まぐろ、あわび、いくら軍艦巻き、そしてすごいのが白身の魚。
なんでしょう?
鯛でした。
この鯛のすごいところは、白身なのによく見ると若干赤身があるんです。
すごくないですか?
この(指の)先のネタですよ。
こんな小さい、そこにグラデーションを作る。
彼は手先が器用で、彼はカレンダー全部かけるし、車の車種を言うでしょ?
ノアとかベンツとかいうでしょ。
いすゞのなんとかトラックとか言うでしょ。
そうすると彼はスラスラ~って書くの。
すっごい精巧。
頭の中に全部入ってます。
そんな才能を持っています。
次、彼もすごく記憶するという力があって、いつも養護学校にお迎えに行くんですね。
車に乗って。
施設まで車で来るんです。
彼はずーっと外を見てるんですね。
外を見て着くといきなりマグネット貼りだすんです。
そしてそれはナンバープレートになって、車の中に人が乗ってるんです。
覚えてるんですね、瞬時に。
私なんかもう53だからね、2つ覚えたらいいとこだけど、
彼は毎回覚えて帰るんです。
どう?こんな記憶力欲しいでしょ?
はい、こんな力を持っています。
幸せなことに私は今こういうお仕事をしています。
では、いつごろからこの障がい者といわれている人たちのお世話をしようかと思ったかというと、みなさんぐらいの時です。
ちょうど中学三年生ぐらいの時にそう思いはじめ、そして高校二年生の夏休みにそれが本当にあってるかどうか試そうと思ってボランティアに行きました。
障がい者の施設。
そして私がお世話を担当することになったのは、重度の身体障がい者と言われる男の子でした。
その子はベッドに寝ていて、そして手足が動かなくて、動くのは眼球だけだったんです。
こう目の眼球がキュッキュって動くだけ。
それだけ。
で、この子のお世話して下さいねって言われたんです。
どんなお世話かというと、ベッドの横に座ってますね。
時間がくるとオムツを交換した。
で、時間がくると看護婦さんが経管栄養というのをやるので、それを外れないように見ている。
毎日です。
オムツの交換。
じっと待ってる、じっと見てる、というお世話だった。
毎日毎日。
喋らず、一日中ベッドの横に座っています。
すると、一週間二週間、毎日それをやっていると、だんだんね、つまんなくなってくる。
だって、何かお世話しようと思って行ってるのに、ベッドの横に座ってるだけ。
で、おむつ交換する。
だんだんつまんなくって、つまんないから行きたくなくなって、あ、嫌、、って思い始めたんだけど、この期間は行きますよって約束したし、自分でも決めたから、まぁ頑張りましょうと思って行ったんですね。
そして毎日ベッドの横で黙って座っていました。
そしたら何か、ある日、何か、あれっ?て思ったんですね。
この子の人生ってベッドの上だけなの?
他のちょっと動ける子たちは夏休み、お正月、クリスマスに家族がやってきてお家に帰れるんです。
でも、その子はいっぱい機械をつけていたから病院から出ることはないんです。
私なんか三週間とかそれだけでつまんないと思ったのに、彼は一生ベッドの上なんです。
そして彼の世界ってこう、見上げた天井だけなんだな、ずっとね、毎日毎日一生…て思った時に、私って何でもできるんだって、すごい私ってすごいじゃんと思ったんです。
行きたいなと思ったらどこだって行けるし、やろうって思ったらやろうと思う手足があるし、喋れるし、見えるし、聞こえるし、食べれるし。
何でもやれるじゃない。
すごい命持ってるなって思ったんですね。
これ、どう使おうって思った時に、やっぱり同じ命なのに、こう何か不平等があるなと。
これをなくすために自分の命使いたいな、やっぱりこの仕事だろうって決めたんですね。
そしてもう一つ、同時期にこんな事件がありました。
これはその男の子の写真ではないんだけど、良く似た視線だったのでこの写真を使っていますが、これは水俣病の患者さんの写真です。
私はたまたま自分ではやれない、たまたま偶然、大垣っていうとても水がきれいな町に生まれました。
だからこんなに元気に育つことができた。
でも、たまたま偶然、水俣っていう町に生まれた同じ時間に、同じ日にちかもしれない、同じ年かもしれない。
同じ時にそこに生まれた命は、この病気で苦しんでいました。
それで私はそこから水俣病という病気に興味を持ち、そこに手伝いに行ったりボランティアで行きました。
水俣はとってもきれいな町でした。
キレイな森とキレイな海がありました。
たくさんの魚がいる、そんな町でした。
するとここに、チッソという化学物質を作る工場が出来ました。
この工場は戦後の日本を助けるために、とても重要な工場でした。
化学物質を作る中で、水銀を出しました。
そしてそれを海にどんどん流していたんです。
でも、とても国にとって大切なこの会社のやっていることは、隠されていました。
すると水銀は魚に含まれ、それを食べた最初は猫が、のたうちまわってバタバタ死に始めたんです。
そしてこの町では一匹もいなくなっちゃった。
あるいは飛んでいる鳥がばさっと落ち始めて、そしてもがく。
すると次には同じようにもがいて苦しんで死んでいく人間が現れ始めました。
これは最初は原因不明、奇病と呼ばれていました。
すると奇病が流行った町の魚は誰も買わない。
奇病が発生したと言われる町の人は雇ってもらえないんです。
そして、食べるものは魚。
貧困と、偏見と、苦しみの中でたくさんの人が死んでいったんです。
そしてそこで出会った命の話、宝子という話です。
今年、原田マサズミさんという方が亡くなりました。
その方のお話で、この「宝子」という話に出会いました。
皆さんもそうですけど、お腹の中に命があります。
するとこの命を育てるために、胎盤が出来ます。
胎盤はお母さんが食べ物を赤ちゃんの栄養にかえて、赤ちゃんを育てる役割をしている。
あるいは、お母さんが悪いものを食べても、胎盤が全部吸い取ってきれいにして赤ちゃんを守るという役割をしていると言われていました。
ところが、この水俣病が起こったあと、どうやら化学物質は胎盤を通り抜けて、赤ちゃんに害が行く、赤ちゃんに病気がいってしまう。ということが分かったんですね。
このお母さんはこの子のことを「宝物」と呼んでいました。
お母さんはこんな風に仰ったんです。
「この子は宝子たい。そしてその理由は、この子が私が食べた水銀を1人で吸い取って、背負ってくれたとばい。それで私もその弟も妹たちもみんな助かったとです。この子はわが家の命の恩人ですたい。」
といって大切に育てました。
魚を食べたのはおかあさん。
自分が死んでいたかもしれない。
でも自分の水銀を全部彼女が背負った。
だから、うちの大切な宝物なんだ。
彼女は首が据わらないという状態で生まれてきたので、お母さんはずっと抱いていました。
とっても手がかかったかも知れません。
でも、宝物として、とっても大切にみんなで育てました。
でも、水俣病だったので、二十歳、成人式のお祝いをした後に彼女は亡くなりました。
ですが、水俣病の患者さんは、今も生きておられます。
ある女性がこんなことを仰っていました。
「私は行き生き続けます。私が死んだら、水俣病をみんな忘れてしまう。水俣病を伝えるために、水俣病が起こったこの社会の仕組みを伝えるために私は生き続けます。」
と仰って、どんどん年老いて動かなくなる身体に、リハビリをしたり、頑張って、今も生きておられます。
そして、国は水俣病救済法、水俣病を救うという法律で今年救済を打ち切りました。
もう今から、もしかしたら水俣病かもしれない、という人が現れても、もう認めませんという法律です。
これと同じことが今から福島で起こるかもしれません。
これが今私たちの住んでいる社会です。
そして私たち、ここに居ます。
もちろんその病んでる人も全員この宇宙に、この中に私たちはいるんです。
そして数え切れないくらいのこの星のなかで、命のある星、他にありますか?
私たちはこの生命をもつ奇跡の星に奇跡的に誕生しました。
46億年前地球は産まれました。
生まれた地球は命がありませんでした。
もう少し太陽に近かったら、熱すぎて生命が誕生しなかった。
遠すぎたら今度は寒すぎて生命が誕生しない。
この微妙なちょうどいい奇跡的な距離に地球があったので、命が存在しました。
そして、地球にはもう一つ奇跡的に重力が、ちょうどいい重力がある。
兄弟の星、月には重力があるけれど、水は保たれません。
水滴は浮かんでいます。
ところが、地球はちょうどいい重力だったので、水を保つ、そして海を持つ、すると海の中にたった一つの命が生まれます。
たった一つ生まれた命は次々にたくさんの命を生み始め繋ぎ始めました。
そして植物、たくさんあった二酸化炭素を植物は吸って、泡のような酸素を何万年も出し続けました。
泡のような酸素を。
するとこれによってオゾン層ができました。
オゾン層ができたことによって、宇宙の有害なものが入ってこない。
すると海の中の生き物は陸上にあがることがでました。
そして陸上の上でたくさんの命をつなぎ始めます。
そして46億年目のこのはしっこのはしっこのほんの一瞬に人類はできました。
もし、マンモスが絶滅しなかったら、あなたは居ません。
もし、恐竜が絶滅しなかったら、あなたは居ません。
絶滅して、そこを生きるという力をもった生命が命をつないでみなさんは居ます。
あるいはもし、皆さんのお父さんとお母さんがあの日あの時、あの瞬間偶然出会ってなかったらみなさんはここに居ない。
おじいちゃん、おばあちゃんも。
たくさんの偶然、たくさんの奇跡、これが繋がっているんです。
一個でも違ったら皆さん居ないんです。
すごいでしょ?
みなさんはそんな存在です。
そして、地球の上の命は全て奇跡的な存在です。
私たちはお母さんのお腹という宇宙で誕生しました。
何億という命の卵のたった一つが地球にたどり着き、そして奇跡的に受精して命になります。
そして、育ちます。
そして、こんな美しい姿で生まれます。
そして私たちは不思議なことに、五本の指をもっています。
何で五本か考えたことがありますか?
不思議じゃないですか?
みんな五本なの。
私は長崎に友人が居ます。
彼女は被爆二世でした。
両親が原爆の黒い雨を浴びました。
それによって遺伝子が傷つきました。
傷ついた遺伝子を引き継いだ彼女は被爆二世。
白血病でした。
でも彼女は幸せな結婚をしました。
でも、傷ついた遺伝子は次の赤ちゃんにも受け継がれました。
彼女の息子は、指が三本、根元からぱっくりと三本でした。放射能の影響で。
するとこれは奇形とよばれちゃう。
多分私たちはこの五本の指は人を愛するため、命を守るため、命をつなぐために人間がもった知恵なんじゃないかと思う。
ところが、この五本の指、人を愛したり、育てたり、守ったりしなければいけない五本の指を、(スライドが変わる)ここでは人を殺さなくてはいけない。
この五本の指を使って。
そんな人たちもいる。
彼の名前はチャールズくん、ウガンダの少年です。
少年兵と呼ばれています。
皆さんと同じぐらいですね。
アフリカではこんな人たちがたくさんいます。
アフリカは豊かな国?貧しい国?(高校生)「貧しい国」
貧しい国、何が?(高校生)「食料」
食料が貧しい、はい、そうですね、私たちはアフリカって貧しいよねって思ってますよね。
でも、アフリカって豊かなんです。
何が?資源があります。
この携帯電話だって、ハンタルというのがアフリカ取れるんです。
それがなかったら携帯電話は使えない。
たくさんの資源があります。
そしてあるいは、お金になる食べ物を作るためのとっても豊かな土地があるんです。
そこにチャールズくん、何でチャールズくん?アフリカ人なのに。チャールズっていうのはどこの国?
(高校生)「イギリス」
はい、正解。イギリスがどうして?
(高校生)「どっかに連れて行った」
はい、植民地でした。
植民地。
調べて。
植民地にしました。
隣の国はフランスが、隣の国はベルギーが。
チョコレートで有名なのは?
明治じゃないよ。ハワイでもないよ。
ゴディバって食べたことある人?
ゴディバっていうチョコレートばとこの国から?
ベルギーね。
ここもウガンダの上で紛争が起きてました。
ルワンダ。
この紛争がウガンダにも影響したんです。
どんな紛争だったか。
ベルギー人がやってきました。
アフリカです。
あなたはツチ族、アナタはフツ族、部族が違う。
隣町みたいな状態だった。
でも、仲良しだったんです。
じゃあこのカカオ。
これを植えて育てると、お金が入って買えるよ。
やってみる?っていうんです。ベルギー人。
で、これを育ててみる。
一年たって収穫の頃に高く買いにくる。
じゃあ頑張ってね、といって帰っていきます。
一年経ってやってきました。
どう、できた?
「あれ、キミのうちダメじゃん!こっち見てごらん、すごい上手に。何やってんの?キミはこの子の教えてあげて、君はこの子がサボらないように監視しといて。いいですか?一年経ったらくるからね、頼むよ」
そして、またやってきました。
「やっぱダメじゃん!見てごらん、この子は朝から晩まで働いてるよ。帰れ!」
土地を奪われます。
キミは頑張ってるね、この国を守ってくれるかい?
占領、彼らが有利な法律を作る。
すると、この人はどんどん虐げられていきます。
彼の国はウガンダ。
ウガンダも北と南で差別があります。
差別をつけられました。
南は優遇されました。
北はどんどん追いやられていった。
すると、この北の中のある女性が私は今神からメッセージを受けました。
「あの南の政府は悪魔です。あれをやっつけましょう」という女性が現れました。
そしてそこに神の抵抗軍という反政府軍ができました。
政府軍は応援してる。
お金を援助。
兵士もいる。
武器もあげる。
こっちはちょっと弱い国。
でも兵力が足りない。
どうするか。子どもをさらってくるんです。
さらわれたチャールズ12歳でした。
お母さんが買い物に行きました。
寂しくなったチャールズが後を追ったとき、反政府軍にさらわれました。
たくさんの子どもがさらわれて、反政府軍の基地まで歩かされた。
「足が痛い!」バン!と殺される友達。
リップカット。
あるいは耳、腕を切られ、どんどん周りの子がやられる。
すると兵士に逆らわないと洗脳されていく。
ある女性は連れて行かれてこんな洗脳を受けた。
ここに額にオイルをたらす。
「アナタはもう神の洗礼を受けたから、人を殺しても罪になりません。弾丸にも当たりませんよ」
洗脳です。
そして、もっと洗脳。
麻薬。
そしてチャールズくんは洗脳がちゃんとできて人を殺せるかというテストを受けました。
彼の家です。
家に連れて行かれ、目の前にお母さん。
兵士は命令しました。
「この女を殺せ」。
チャールズくんはもちろん殺せませんでした。
すると次に兵士は「じゃあお前とこの女の命を救ってやるから、この女の腕を切り落とせ」といってなたを渡されました。
もちろんそれをしなかったら、殺されてしまう。
彼は必死に何度も何度も振り下ろし、お母さんの腕を切り落としたそうです。
でも、そうしなかったら、命が守れなかったんです。
同じ時間にいるんですよ。
今もです。
今私たちがこうやって平和に授業を受けている。
同じ時間の中、違う国で、貧しいといわれている国ではそんなことが起こっているんです。
恐怖から、暴力から逃げられないんです。
そんな命があるんです。
彼はアフリカ、シオラレオンに住んでいます。
彼はお父さんに腕を切り落とされました。
お父さんは彼の命だけは守りたい。
彼を愛していたんです。
さらわれて殺されないように、さらわれて兵士にならないように、命を守るためにしょうがなく腕を。
どうですか?
みなさんと同じ命です。
同じように、同じ時間に生れ落ちてるかもしれない。
女性はこうです。
彼女の部族は反政府軍に襲われました。
彼女の部族の血を絶やすという戦略です。
彼女は16歳、お腹に赤ちゃんがいました。
8カ月。
赤ちゃんは引きずり出されて殺され、そしてその後にレイプ。
そしてもう二度と子どもが産めない体になってしまいました。
そしてそれを起こしているのは、私たちです。
これは食べ物を作っていない国という感じのグラフで表してみました。
100人居たら24人分しか作っていない。
火垂の墓という映画がありますね。
主人公の名前は節子。
節子はドロップを食べていて、ドロップがなくなり、とうとう貧困でお腹がすいて、おはじきを食べたり、泥団子食べたり、それぐらい食べるものがなかったあの時代は24人より多いと思う人?
少ないと思う人は?
実は70%あったんです。
どうですか?
それより少ない私たち。
誰か道で死んでました?
食べるものがなくて。
何で食べる物がありますか?
こんなにないのに。
(高校生)「輸入してる」
はい、そうです。
私たちは輸入って言うきれいな言葉で奪ってるんじゃないかって私は思います。
お金っていう武器で奪ってるんじゃないかって思います。法律って武器で奪ってるんじゃないかって思います。
エネルギーだって4%です。
なのにこんなに快適。何で?
何の不便もない。
何で?
奪ってるんです。
DAY’S JAPANって雑誌があります。
第一号。
1人の写真家が「人々の意思が戦争を止める日が必ずやってくる」という思いで作りました。
その第一号の見開き、一ページ目にこれが。(写真を指す)
イラクにアメリカが空爆した時の写真です。
イラクになぜ空爆したか。
テロ国家。
その前にアフガニスタン。
ビンラディンがツインタワーにぶつかったテロ行為。
やっつける。最初はアフガニスタン。テロリストを出せ。テロリストですか?
イラクのテロリストですか?
大量破壊兵器を出せと言ったんです、アメリカが。
出さなかったら砲撃するよ、といって攻撃しました。
しかしその後、アメリカの報道『イラクに大量破壊兵器はありませんでした。』『あれは誤報でした。』
何で?
石油ですよ。
石油が欲しいって言う国が多いから。
石油が欲しいって思ってる私たちがいる。
あるいはガス、水、資源。
そしてメッセージ
『目をそらしてはいけない。戦争は奇麗事ではない。それに私たちにはこの少女を見つめる義務がある。この少女は米軍のクラスター爆弾で身体を引き裂かれた。そしてその米軍の爆撃を支援したのは、日本である。私たちに目をそむける権利はない。』
と書かれています。
はい、そして国内だとこんなことが。
忘れていませんか、皆さん。
こうやって授業をやってた時、突然地震が起こりました。
そして突然津波がやってきた。
全て失った。
忘れてませんか?
是非忘れないで下さい。
皆さんはこれを一緒に背負っていかなくてはいけない年代です。
一瞬にして学校を失う。
友達を失う。
思い出も、大切な家族も。
そして今も見つかっていない人が、海の、川の中に。
ここで亡くなった命は、もしかしたら命の大切さを伝えるためにこんなふうになったのかもしれない。
どうか忘れないで下さい。
マザーテレサが日本で残した言葉
『愛の反対は憎しみではありません。無関心です。』
見ないこと、感じないこと、関心を持たないこと。
どうか皆さん、愛を持って。
そして最後になりました。
私がどうしてこういう話をするようになったか。
私は子どもが三人いるんですね、三人。
一人目の娘、切迫流産で入院していました。
その時に大出血したんですね。でも病院だったんです。
命をとりとめて、十カ月で生まれてきました。
二人目、女の子。
八カ月でお腹がこんな大きくて胎動感じますね、足で蹴ったり。
ある日、感じなかった。
病院に行きました。
先生が「今井さん明日入院して下さい。赤ちゃん、死んでます。」
八カ月。
陣痛を起こして、産んだんです。
その感覚を、この地球の映像をみるたびに思い出すんです。
生きた命が産道を通って産まれてきた、っていう感覚と、抜け殻が産道をドロッて落ちてくる、この感覚を思い出す。
そのたびに、生まれるってすごいなって、それを伝えたいんです。
そして三人目男の子、やっぱりうまくいかず、六カ月で陣痛が来ました。
そして入院。
止めて止めて止めて八カ月。
生きて産まれてきました。
でも高校生になって、私に「うるせーな」って言ったり「俺をほっとけ!」と言ってどっか行ったり、というような男の子になっちゃった。
あんなに一生懸命産んだのに。
ところが、宿題が出たんです。
十八歳の卒業の年に、自分史を書きなさいという宿題が出ました。
もちろん見せてくれない。
先生にこっそり見せてもらいました。
そしてそこにこんなことが書かれていました。
「僕には姉が2人居ました。一人目は今元気で生きています。二人目は母のお腹の中で八カ月で死にました。僕は八カ月で産まれてきました。多分の僕の姉はこの世に生まれないという選択をしたんだと思う。でも僕はこの世に生まれてこようって決めたんだと思う。僕の十八年間の人生で一番勇気がある自分はこの世に生まれてこようって決めた自分だと思います。だから、僕はこの命をきちんと使います。」
と書いてあった。
もしかしたら皆さんも、自分で決めたのかも知れません。
どうか命を大切に使って欲しいと思います。